「グループダイナミックス的スポーツ雑感」というブログを始めるにあたり、まずは簡単な自己紹介をしようと思います。私は、「グループダイナミックス」という分野の行動科学に関わる仕事に携わっています。といっても、大学の研究者とかではありません。沙漠化防止活動に取り組んだり、企業の人材育成のお手伝いをしたり、地域活性化支援の活動に参加したりする中で、研究者の方々に教わり、時に研究対象となり、あるいは共同研究をしたりしながら、グループダイナミックスの知見や手法に助けられているといったところでしょうか。
グループダイナミックスとは、人々の意識や行動を「個人」を切り口に見るのではなく、個人を取り巻く「空間」に視野を広げて考える行動科学です。ここでいう「空間」とは、個人が属する社会やグループなどの「人間関係」、個人を取り巻く環境、過去から未来へと続く時間軸などを指します。「個人」から「空間」へと視野を広げることで、たとえば沙漠化防止活動や地域活性化支援の現場で多くの人たちと協働するとき、企業の人材育成に取り組むとき、問題解決の手段が格段に幅広くなります。
グループダイナミックスに携わる仕事をする一方で、この10年間、息子達をきっかけにジュニアスポーツにも関わってきました。とあるジュニアスポーツの県協会で理事として普及活動に取り組んだり、長男の部活動の保護者会世話係としてチームのサポートをしたりと、ジュニアアスリート達の成長を間近で楽しんでいます。
ジュニアアスリートたちのサポートをする中で感じるのが、グループダイナミックスの知見や手法はアスリートの成長にも有効だ、ということです。多くの子供たち、指導者や保護者の方々が、一生懸命に頑張りながらも伸び悩みに心を痛めている姿を見かけます。
また、スポーツに頑張っている子供たちのほとんどは、一生そのスポーツで食べていけるわけではありません。スポーツに頑張る時間が、学業やひいてはその先の人生にとって「負担になるのでは?」と感じることも少なくないでしょう。
私や私の息子達も、こうした悩みを抱えるひとりです。だからこそ、グループダイナミックスの視点を取り入れることで、私なりに、同じ悩みを抱える子供たち、指導者や保護者の方々を応援できるのではないか、と考えるようになりました。
そこで、長男が高校から本格的に競技者としての道を進むことになったの機に、ジュニアアスリートが手軽にグループダイナミックスの手法を利用できるツール開発に取り組むことにしました。長男の日常を観察・分析したり実験台としたりしながら、出来上がったのが、「アスリートダイナミックスノート」という記録ノートです。大学からは何をとち狂ったのか、まったく経験のない陸上競技に転向するなどと言っておりますので、今後の実証実験にも格好の被験者となってくれるようです。このノートについては、別途ホームページを作成し、Amazonで販売を開始していますので、ご興味のある方はそちらをご覧ください。
このブログでは、このノートに拘らず、幅広くグループダイナミックスの視点から、スポーツについて考えてみたいと思います。従来とは少し違ったスポーツの見方がご紹介できて、
「視点を広げて考えてみたら、これまでの悩みが少し楽になった」
と感じて頂ければ幸いです。
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